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発見がいっぱい!うちのお雑煮 よそのお雑煮

弊社月刊情報誌「honoca(ほのか)」1月号でご紹介した「発見がいっぱい!うちのお雑煮 よそのお雑煮」について、さらに詳しいお話をうかがいました。
 

★お雑煮 豆知識
 
全国各地を訪ね、究極のローカルフード【お雑煮】を調査し続けているお雑煮研究所 所長の粕谷浩子さん。
探訪する土地ごとに異なるお雑煮の個性には、その土地の歴史や、そこに根をおろして生きてきた人々のくらしの知恵や文化が息づいているといいます。
その発見から生まれたのが「お雑煮は、その土地の物語を秘めている」という言葉。
物語の数々をひもとくと、「なるほど~!」「びっくり~!」がいっぱい。
粕谷さんに教えていただいた、思わず人に話したくなる意外なお雑煮豆知識をお伝えします。
 
 
●ダシと具に見る土地の物語
本誌【honoca】でもご紹介したように、長野県内でお雑煮といえば、角餅とすまし汁(醤油の味付け)が定番。
とはいえ、地域によりブリが入ったり、クルミダレが加わったりと、いくつかのパターンが見られます。
さらに、具材の野菜の切り方や、カマボコかなると巻か、三ツ葉か芹か、エノキダケを使うか使わないかなど、細かく調べていくと、いろいろな違いが見つかります。
 
これらは、皆その土地や家庭で受け継がれてきた伝統。
その地域のダシ文化、手に入る具材、お正月らしい縁起かつぎや健康への願いなどが込められています。
 

■加賀のスルメダシ(石川県加賀地方)

煮た丸餅に、具はねぎを散らすだけという超シンプルな加賀雑煮。
そのダシは昆布とスルメ。
スルメ(イカを干して乾燥させた保存食品)は「日持ちがするから幸せが長続き」「足がたくさんあるからお金(お足)がたくさん」などに由来する縁起物。
結婚の結納品としても「あたりめ」の替え名で登場しますね。
昆布も「子生婦」の当て字がつき、子孫繁栄を願う縁起物。
年の初めを縁起よく迎えようとの思いがこもったダシですね。
スルメの甘みとイカならでは香りが息づくお雑煮です。
スルメダシは熊本、佐賀、岡山などでも使われ、味噌汁、鍋料理、炊き込みご飯などにも活躍するそうです。
 

■石見の鮎ダシ海苔雑煮(島根県石見地方)

島根県西部を流れる清流高津川の流域では、高津川で捕れた鮎を干してつくる特産品「干し鮎」をお雑煮のダシに使います。
水に1時間浸けてふっくらするまで戻し、火にかけてさらに1時間。
じっくり時間をかけて出す鮎ダシは、ほのかで上品な風味が持ち味。
川魚でも臭みが全然なく、品もコクもある絶品の味わいだとか。
石見地方では、鮎ダシをすまし汁仕立てにし、出雲の十六島(うっぷるい)産の希少な岩海苔を酒で戻して丸餅の上にのせるだけのシンプルな海苔雑煮を食べるのだそう。
深いうまみのダシ、餅、海苔の組み合わせ、おいしくないわけがありませんね。
鮎ダシはこの地方のそうめんつゆのダシとしても用いられているそうです。
清流の恵みが食文化に生きているのですね。
 

■豆腐あれこれ

茨城県常陸太田では、豆腐のすり流しを昆布ダシでのばして加熱し、砂糖を加えてほの甘く仕上げた汁に、焼き色をつけないように焼いた角餅を入れる真っ白なお雑煮を食べるそうです。
「スイーツ感覚でお気に入り♪」と、粕谷さん。
群馬県高崎市では、「つと豆腐」という穴のボコボコ空いた固い豆腐が年末にだけ店頭に並びます。
お雑煮の具材として欠かせないものだそうで、よく味がしみるのがポイント。
「つと」は藁を束ねてものを包むようにしたもの。
「つと豆腐」自体は会津や茨城にもあるそうですが、お雑煮の具にするのは高崎だけなのだとか。
不思議ですね。
関西一帯では、丸餅・白味噌仕立てのお雑煮が多く、焼き豆腐を具にする家庭もあるようです。
長野県内には、刻んだ凍み豆腐を具材としてお雑煮に入れる家庭もありますね。
豆腐一つとっても、地域により、家により、その使われ方はいろいろですね。
皆様のお宅のお雑煮はいかがですか?
 

●在来野菜の存続を支えるお雑煮

「お雑煮に使われる野菜の種類に、地域性が色濃く表れている」と、粕谷さんは言います。
全国を訪ねるなかで、その土地だけで生産され、年末が近づくと青果店などの店頭に並ぶ野菜をいくつも目にしたのだとか。
■かつお菜(福岡県博多)
■餅菜(愛知県名古屋周辺)
■仙台雪菜(宮城県仙台)
■真菜(和歌山県和歌山)
■水前寺もやし(熊本県、大分県、宮崎県など)
■祝だいこん(奈良県)
など、地域ではあたりまえと思われている野菜が、実はその地域特有の在来野菜だったり、希少な伝統野菜だったり。
お雑煮のために自宅の庭や菜園で自家用分だけ育てている人も少なくないようです。
昨今、地域の個性に光を当てるとともに、生物多様性を守っていく観点からも、在来野菜・伝統野菜の存在が注目されています。
お雑煮は、その存続を支える役割を担っているといえそうですね。
 

●粕谷さん監修 各地のお雑煮を気軽に!
各地のユニークなお雑煮を気軽に楽しめるようにしようと、粕谷さんが監修、商品化したのが、「全国ご当地雑煮シリーズ」(ドウシシャ)。
レトルト汁と餅がセットになっていて、調理が簡単。
これまでに「岩手 くるみ雑煮」「福島 こづゆ雑煮」「東京 江戸雑煮」「京都白みそ雑煮」「鳥取 あずき雑煮」「鹿児島 焼きえび雑煮」の6商品を開発し、「食べ比べセット」として販売されています。
今まで知らなかった“よそのお雑煮”を体験できますよ。
都内百貨店、大手スーパーのほか、Amazon、楽天市場、LOHACOなどインターネット通販ページで販売中。
2019年11月から、電子レンジ対応のレトルト雑煮「雑煮マイスターの和みシリーズ 福ふく食堂」の販売もスタートしました。お楽しみに!
 
  
<お話をうかがったプロ>
 
お雑煮研究所所長・お雑煮マイスター
株式会社お雑煮やさん 代表取締役
 
 粕谷   浩子  さん
(かすや ひろこ)
 
全国のお雑煮を食べ歩き、個性あふれる魅力を広く発信中。
通販商品「全国ご当地雑煮シリーズ」(ドウシシャ)を監修。
著書に『お雑煮マニアックス』(dancyuプレジデントムック プレジデント社刊)。

◆お雑煮研究所: http://www.zouni.jp/
◆全国ご当地雑煮シリーズ http://www.doshisha-gift.com/zouni/ (ドウシシャ)